風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

爆発

『爆発の引用』5

「ニーチェが彼固有の体系の拒否によっていわんとすることは、哲学の課題が、「諸問題」の伝達にあるとすれば、ある一定の社会状態が自分自身の「文化」についてあたえる一般的な解釈を哲学は乗り越えることができない、ということである。ニーチェが西洋文…

『爆発の引用』4

「リヴィウスがタキトゥスが、マキャアヴェリが歴史書を書いた目的を考えてみよ。現在からの逃走と慰安ではなかったか―――たびたび昔はこんなふうではなかったとか、昔もこのとおりだったとか、あるいは、昔はもっとよかった、などという考察をすることで甘ん…

『爆発の引用』3

「カフカが真に天才であるのは、かれが伝達不可能性に固執するために真理を犠牲にするというまったく新しいことを試みた点にある。」(ハンナ・アーレント『暗い時代の人々(ヴァルター・ベンヤミン)』) 「40.7.6 ドイツの指導者層にならって、今度はフラン…

『爆発の引用』2

「前世紀の半ばから、感情生活を守るという名目で、産業文明のもたらす荒廃に対して激しい非難が向けられてきた。産業の諸々の生産手段が情動に対して有害な作用を持つとみなすこと。それは精神を堕落させる産業の力を告発するという口実で、じつは産業に精…

『爆発の引用』

「労働生産性は、どうして追いつくようになったのでしょうか。ふたつ理由があります。ひとつは農業就業人口・農業人口が減ってきたということです。それから一方では、固定資本の増加といいますか、機械とか農機具とかの増加と、質の上昇でもっと労働生産性…

二十八回目の爆発『言い訳の濫用』

・生の倫理性は人生におけるあらゆることを思考することができるという永劫回帰の思考から出発して、およそニーチェの可能性でないような思考というものがありえるのだろうか?回帰の可能性。しかし永劫回帰の明晰な思考とは無力さに他ならないのではないの…

二十七回目の爆発『表現の自由』

・表現の自由による言論弾圧にどう立ち向かえばいいのか。つまり表現の自由を支配的権力に利用されるのかそれとも表現の自由そのものに直接攻撃を仕掛けるのか。自由な表現が可能なのは解放されるべき言論実践と検閲が同一化していない場合にしか可能ではな…

ハンナ・アーレント『全体主義の起源2 帝国主義』3

「諸権利を持つ権利―――これは、人間がその行為と意見に基づいて人から判断されるという関係の成り立つシステムの中で生きる権利のことを言う―――というようなものが存在することをわれわれがはじめて知ったのは、この権利を失い、しかも世界の新たな全地球的…

ハンナ・アーレント『全体主義の起源2 帝国主義』2

「(…)人間がもはや人生のために生き、人生のための人生を愛するだけの力を奮い起こせなくなったとき、冒険とゲームのためのゲームは最後の大いなる人生のシンボルと見えてくる。秘密機関員キムの物語が帝国主義時代の最大の記録文書となり得たのは、情熱的で…

悲しみが間違っている

・優しいのが好きだという。そして怖いのが嫌だという。だから狂気を召し上がれ。 ・苦しみを減らそうとするのも苦しみを増やそうとするのも人間の苦痛を増加させる。人間を強化すべきなのか軟弱にすべきなのか。 ・虐殺するのが正しいのなら平穏に生活する…

二十六回目の爆発『検閲の操作』

警察の存在論的条件とはどのようなものだろうか。犯罪を取り締まることにあるのだろうか。そもそもなぜ犯罪をなくそうとすることが重要なのか。一般的功利性(公共の福祉)が脅かされるからである。ところで犯罪が可能であるのは、ある一般性が利益の規範と…

二十五回目の爆発『アフォリズム』

・自己克服とは一体何なのか。そんなことは可能なのだろうか。克服する自己がむしろより低劣になるための自己克服というのもあるのではないか?つまり堕落こそそれではないだろうか。 ・道徳教育に対してはシニスムを持ち込ませずに断固として正義を実行する…

adagio

・上遠野浩平の『ブギ―ポップは笑わない』で『ドアーズ』が好きだと書いてあるのを読んで思わず笑ってしまった。こういうことがあるとなんだか嬉しくなる。 ・西尾維新が現代で果たしている役割は巨大である。彼のおかげで小説というものにどれだけの真剣さ…

二十四回目の爆発『情報の抵当としての記憶の身体』

「「生きた貨幣」となった産業的奴隷は、同時に富を保証する記号としての、またその富そのものとしての価値を持つ。それは記号としては、他のあらゆる種類の物質的富に代わる価値を持つのだが、富としてはしかしながら、おのれがその満足を体現する要求=需要…

無力さの表現

「力への無能力。それが装う偽善と利巧さは次のように現れる。すなわち、 服従として(順応、義務を果たす誇り、道義心……) 屈服、献身、愛として(損害賠償および間接的自己美化としての、命令者の理想化、神格化) 宿命論、諦観として 「客観性」として 自…

ポール・ヴィリリオ『民衆防衛とエコロジー闘争』

「軍団の密集した防衛の後に、身体なき抵抗が続く。このクラウゼヴィッツ的な《どこにもない》は本質的である。というのも、身体なき抵抗の彼方で、軍事的捕食者によって居住不能にされてしまった地上で、既に領土なき抵抗が思い浮かぶからである。」(ポー…

二十三回目の爆発『選別の教義』

「かりにこんな教義が教えられたとしよう。―――おまえがこれこれのことをして、かくかくのように生きるなら、死後、おまえを永遠の苦しみの場所に連れていくような「神」が存在するのだ。大部分の人間は苦しみの場所に行くことになり、ごくわずかな人間だけが…

二十二回目の爆発『なぜ人前で善いことをしてはいけないのか』

なぜ人前で善いことをしてはいけないのか。もし人前で見せることが報酬になるというのなら、人前で行なわれない善行には別の種類の報酬があるとでもいうのか。善行が報いを受ける為に行なわれるということ自体は否定されていない。問題は方法なのである。ま…

「人質の解放を要求する」

「テロリズムは許せない!」「どうしてか?」「アメリカの属国の人間が人質となったからだ!」 確かにこれは許しがたいことである。アメリカに支払っている経費よりもずっと少数の金額しか要求されなかったからだ。したがって我々は「テロとの戦い」に屈服し…

二十一回目の爆発『計画化経済の誤爆』

・計画化経済は教育者、科学者はもちろんのこと、芸術家、哲学者から大衆、ジャーナリストまですべてを動員している。何が問題なのか。画一主義とあの生温い空気が嫌だということ。そこから排除が帰結する。どうすればいいのか。少なくとも画一主義と同調圧…

ショックボム

「或る学士試験から。―――「あらゆる上級学校の使命は何であるか?」―――人間を機械にすることである。―――「そのための手段は何であるか?」―――彼は退屈することを学ばなければならない。―――「どうしたらそれが達成されるか?」―――義務の概念によって。―――「誰…

二十回目の爆発『資本蓄積』

・貨幣は買う能力を使用者に付与する。貨幣増刷におけるインフレは課税手段になりうる。それは借りている貨幣、あるいはより信用が物質化されている形態の貨幣の価値と信用を減少させる。つまり貨幣によって計算される利益と、欲望によって解釈される利益が…

十九回目の爆発『余剰の情報生命体』

ますます巨大化し制約する力を強めている経済的諸規範に対して逆の運動を起こすことの必要性。それは人間の過剰な力を排除することだと私は言いたい。精神的・肉体的満足と条件反射によって規範化された人類と労働者を彼らの生産した道具とともに思うがまま…

十八回目の爆発『隣人愛』2

「私の人間愛は、私が相手の身になって共感共苦している点にあるのではなく、相手に共感共苦しているそのことに私が耐え忍んでいる点にあるのである。……私の人間愛は休む間もない自己克服だといっていい。」(ニーチェ『この人を見よ』) ・なぜ奴隷や家畜な…

十八回目の爆発『隣人愛』

「愛にたいして効き目があるのは、大抵の場合依然としてあったあの古い荒療治―――愛し返すことである。」(ニーチェ『遺された断想 1883年夏』) ・隣人愛とは、ある理念が他者と出会った時の症候である。具体的にはアウシュビッツ、原爆、アブグレイブ、人民…

十七回目の爆発『情報の伝達』

誰が誰に。情報におけるすべての問題は結局この一点に帰する。戦略決定に必要な速度を確保する場面において第一級に重要なこの問いの回答をもたらしたのは「テロリスト」たちであり、それは「神が私に」というものであった。「私の前を歩いておられる御方が…

テロリズムに反対して3

「この研究に携わる合衆国空軍ランディ・ワイデンハイマー中佐はこう語った。「これまで宇宙空間は、通信、偵察、監視という観点から軍事的関心の舞台と見做されてきた。今日、われわれは、人工衛星を文字通り武器として利用するのでなければならない。」こ…

テロリズムに反対して2

「テルミドール律法はブルジョワ的な規範へと後退しつつあり、しかもこの後退を「新しい」家庭の神聖さなどというごまかしのことばで隠蔽している。この問題でも社会主義の無力さが偽善的な体面によって隠蔽されているのである。とくに子どもにかんする問題…

テロリズムに反対して

「学校と生徒の社会生活はまったくの形式主義と偽善でつらぬかれている。子どもたちは息がつまるほど退屈な集会を数かぎりなく催すことをおぼえた。その基準はきまって名誉幹部団というものが設けられ、親密な指導者たちにたいする賛美と、まえもってお膳立…

十七回目の爆発『評価の経済』

「全員が一時"官僚"になり、それゆえなんぴとも官僚になりえないという事態への即座の移行」(レーニン) ・道具の能力とは評価をすることである。道具は3つの基準で人間を評価する。①単位によって②実験(戦闘)によって③コミュニケーションによって。ここ…