風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

テロリズムに反対して3

「この研究に携わる合衆国空軍ランディ・ワイデンハイマー中佐はこう語った。「これまで宇宙空間は、通信、偵察、監視という観点から軍事的関心の舞台と見做されてきた。今日われわれは人工衛星を文字通り武器として利用するのでなければならない。」この発言の意味は重い。地球周囲の宇宙空間を軍事的利用しないという政治的意志を逸脱しているからではなく、一九七二年の弾道弾迎撃ミサイル制限条約の合衆国側からの一方的破棄や、戦略的兵器削減に関する合意の見直しをも招きかねないからである。さらに、合衆国は、アジアに拡大されたミサイル防衛構想への日本の参加にいずれ行き着くであろう。日米間の戦略軸創設を提唱しているが、ここには対中国の含意が容易に看取されよう。これは、北京政府の在ベオグラード大使館が衛星慣性誘導爆弾によって誤爆された、まさしくその当時のことなのだが!」(ポール・ヴィリリオ『幻滅への戦略』)
レーガン大統領の例の「スターウォーズ」構想が旧ソヴィエト連邦を死に至る競争へと引きずり込んだことを承けて、クリントン大統領の合衆国はおそらく、冷戦に勝利したのは、敵対する東側ブロックを非生産的な軍事支出に追いやった《ペンタゴン資本主義》の産業的功績と評価したのだろう。今度は、国際連合や、さらにはNATOの同盟諸国をも、軍備優位競争の来るべき再開を通じて、同じ不吉な展開に引きずり込もうとしているようだ。ウォール街の巨大市場と契合する経済国を一つずつ消耗させていくことが、その明白な目的であろう。防御、攻撃……。現在、NATOは大西洋両片の防衛機構として語られているが、ここからは、産業社会/ポスト産業社会の戦争組織における兵站体制の重要性という視点が抜け落ちている。」(同上)
「「人権」の名における戦争、人道的戦争の遂行を掲げるとなれば、敵との停戦交渉の余地は奪われる。敵が暴虐を、人類の敵である限り、総力戦、そして無条件降伏という極論以外の選択肢は残らない。」(同上)
「既に四十年以上前に、核抑止に基づく東西間の恐怖の均衡を、ただし、惑星上の全生命を絶滅させる恐れを代償にもたらしたのと同じような……。いかなる法的制裁も及びえない、真の意味での人道に対する犯罪!」(同上)
恐るべき秘密―――何百万人もの男性・女性・子供の「生物学的」消失を包み隠す。依然として法治国家に庇護されていると信じて、もはやそんなものは存在しないことに気づかなかった何百万人もの市民の。新たな「人間科学」によって、諸個人は、名目的アイデンティティーのみならず、人間学的アイデンティティー、「人類」への帰属までをも否認される。極度の乏しき時代にあって、人間の生きた身体は実験材料に、そして原材料になる・・・。」(同上)