風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

爆発

十六回目の爆発『選別の教説としての悪循環』

現在の支配的ヘゲモニーを握っている者たちの生存条件にとって不条理で不可能な規範を打ち立て最大限度の搾取を行うことが問題なのだろうか。階級としても民族としても国家としても宗教としても個人としてもでなく心情の気まぐれによって。というのは、もし…

十五回目の爆発『道具の生産/同一物の永劫回帰』

「人間は使用の能力によって道具を生産する」 神は与える能力によって言葉を生産し、言葉は模倣の能力によって記号を生産し、記号は理解する能力によって人格を生産し、人格は解釈の能力によって王を生産し、王は権利の能力によって社会を生産し、社会は契約…

いかにして「新しい商品」が最後にはゴミになったか―――一つの誤謬の歴史

1 資本家、発明家、金持ちにとっては発明される新しい商品、―――彼はこの商品のうちで生きている、彼はこの商品そのものである。(貨幣の最も重い形式であり、比較的賢明で、単純で、説得力がある。「私こそスミスは神の手そのものである」という命題を書き…

ピンキーのディシプリン

「経験の示すところでは、退廃の一途をたどる階級は、進歩の途上にある階級より、政治屋のまことしやかな演説に容易にだまされてしまうことから、人びとの政治に関する洞察力は、彼らの生活を規定する諸条件と密接な関係があるように思われる。繁栄している…

一四回目の爆発『生産物の系譜』

道具の生産の方法を人間に与えたのは神々であるのはなぜなのか。まず道具を神のように崇め、次に欲望し、最後には排除する。人間は道具の機能を模倣しているのだろうか。それとも道具の方が人間の能力を模倣しているのか。もしも道具が人間の奴隷であるのな…

十三回目の爆発『欲動の法/愛/永劫回帰』

「英雄の周囲では一切が悲劇となり、半神の周囲では一切がサテュロス劇となる。そして神の周囲では一切は―――どうなるか?おそらくは「世界」にだろうか?―――」(ニーチェ『善悪の彼岸 一五〇』) 売ることのできる商品は存在しない。商品は買うことしかでき…

十二回目の爆発『欲望の排除』

「世界の中のどこに刑而上学的な主体が認められうるのか。君は、これを眼と視野の関係と同じ事情だと言う。だが、君は現実に眼を見ることはない。そして、視野におけるいかなるものからも、それが眼によって見られていることは推論されない。」(ウィトゲン…

十一回目の爆発『軍隊の問題』3

あらゆる文献学者が認めている事実として軍隊が産業発展に果たした役割がある。軍隊は手段としての暴力を最大限に行使できるような商品を発明するのである。さらに軍隊は発明した商品の消費者として商品の質の向上のためにさまざまな実験を行い、犠牲者を生…

十一回目の爆発『軍隊の問題』2

「カーター大統領は、このような理由から、アイゼンハウアーが一九六一年に行なった軍産複合体制を批判する演説を踏襲し、国民へのお別れの挨拶の中で次のように述べた。「狂気、絶望、所有欲、価値判断の誤りなどによって、この恐ろしい力が解き放たれるの…

十一回目の爆発『軍隊の問題』

「武装した兵員数は、常に需要の絶対量を規定する。これは自らは物質の生産者ではなく、ひたすら食料を消費する者の数を定めることだ。軍隊によって、兵士(あるいは兵士の家族)というひたすら消費する者たちがつくり出されるということが、経済的に重要だ…

ボム兵ピンキーの大冒険

「我々ボム兵一同は現在の政府を支持します。なぜなら我々にとってとてもよいことが行なわれるからです。地球を「俯瞰」するために宇宙開発の軍事産業を増大させること、これこそ経済を回復させるための真の政策です。これによって軍事費が跳ね上がり特定の…

十回目の爆発『政治』

・「おまえはいままでに食ったパンの枚数を覚えているのか?」 単に人間を物質的食料と見なすにすぎないのなら、生きたパンという意味は生物学的な意味でしかなくなってしまう。吸血鬼は「永遠の生命」の世俗化である。「永遠の生命」という概念を不老不死や…

ファイヤークラッカー

教育改革の意味はただ次の一点にある。それは政府が教育機関に対して独自に干渉する権限を手に入れたということ。総合評価という言葉は、政府が学生の「適正」を評価する基準を一方的に制定するということにほかならない。彼らが何をしようとしているのかは…

九回目の爆発『生きたパン』

生きたパンになるためにはパンへの欲望を排除しなくてはならない。欲望は禁止するからだ。パンへの欲望は断食か過食を引き起こす。だからこそ神という存在しない悪循環の概念を愛することと、神によって生み出された「隣人」を愛することがあらゆるものを与…

八回目の爆発『評価と価値』

潜在的可能性はいかにして評価となるのか。それは可能性としての自意識が評価に隷属するようになり可能性と評価を混同するようになるときからである。このときから自意識は「私のことは私が決める」と評価を考えるようになるが、私を評価することは私でもで…

ねずみ花火2

「飽きもせずに「分業!整列!」という近代的な戦闘殺戮用の号令をかけている人たちには、一度きっぱりとこう言ってやらなければならない―――君たちが科学をできるだけはやく促進させようとすれば、同時に科学をできるだけはやく破滅させることにもなるぞ、牝…

ねずみ花火

政府が国家をありとあらゆる方法で破綻させようとしているということ自体はもう分かっている。農協の解体にしろTPPにしろ集団的自衛権にしろ増税にしろ円安にしろすべて一部の優良企業とアメリカのための政策だということも分かりきっている。問題はそれに国…

七回目の爆発『男と女』2

もう一つの問題、つまり妻は見ることができるということ。女はどうして姦淫を犯すのか。男は結婚したときから、女を見るときに犯す対象として見るのではなく、浮気の対象として女を見るようになる。したがって女は、男がもはや犯す視線しか持っていないこと…

七回目の爆発『男と女』

「愛において女性の存在証明はいかに可能か、と。彼(アラン・バディウ)の回答は、それが可能になるのは、女性の身体によってでなければ(そうしたポルノ的な存在証明は曖昧で、愛を密通と区別のつかないものとしてしまう)、結局は蒙昧主義に終結すること…

六回目の爆発『資本の死と人格記号ネットワーク』2

人格記号の潜在可能性はどんな意味もないのなら、それはどんな価値があるのか。生産性があるのである。つまり可能性の軽量化は生産性の効率化に貢献し、その貢献度によって税が支払われるということである。税制は尊厳税―――つまり潜在的可能性に応じて決まる…

六回目の爆発『資本の死と人格記号ネットワーク』

「資本は死んだ―――わが紙幣、わが紙幣、どうして私をお見捨てになったのですか?」「残念ながらこれらの事変は高所から、つまり紫電のようにくるのだ―――」 つまりコンピュータから来ると言うことだが、人格記号ネットワークはどのように導入されるのか。その…

五回目の爆発『利己主義者の問題』3

「あらゆる反対の声を押し切って十分きびしく推進するなら、支出削減と増税は公共・民間の支出を減らし、総需要―――あらゆる財、サービスに対する需要―――を削減するでしょう。しかし財政政策は差別的な効果を持っています。そしてそれは経済のさまざまな部分…

五回目の爆発『利己主義者の問題』2

利己主義者は古代の賢者達が認めていた原則を無視しているように思われます。それは真理と真理の見せ掛けはまったく違うものであるということです。消費者はできるだけ安く買い、生産者はできるだけ高く売るように行動するという経済学の不変の真理はまさに…

五回目の爆発『利己主義者の問題』

「欲求のヒエラルキーの中で、エロティックな享楽は「性的」欲求―――つまり、基本的ないわゆる家庭的諸欲求のの土台である家族を作ることへの不変の欲求―――と混同される。本来の意味でのエロティックな享楽は問題にされない。それは悪徳の位置におとしめられ…

四回目の爆発『知識人の商品形態』3

私が望んでいるのは全ての人間を資本家にすることである。基本的な考えは貨幣の増殖を計ること。しかし貨幣は他者に貸し出すことでしかその価値を増殖させることができない。しかし他者に貸し出すためには言葉、あるいはディスクールが必要である。このディ…

四回目の爆発『知識人の商品形態』2

ガルブレイス(『不確実性の時代』)によればケインズ以前の経済学では、理論的には全ての労働者は仕事にありつくことができ、それによって経済的均衡を得られるため、遊ぶために休暇をとっている労働者や娯楽施設は全て異常なものであると考えられていたの…

四回目の爆発『知識人の商品形態』

知識人の輸出入や人道主義者の世界的な商品交換の形式はどうなっているのだろうか。そのためには知識人の商品形態を分析してみることが必要である。知識人が商品として消費されるためには、彼らが自身の知識から特定の道徳規範を生産し、その道徳から特定の…

三回目の爆発『貧困と労働者』3

「さて、生産過程のなかで占める位置に従ってではなく、自らの意志や志操、あるいは素質によって定義される類型としての「精神的人間」という構想がどこに行きつくのかが、ここでは手に取るように明らかです。デーブリーンが述べるところでは、精神的人間は…

三回目の爆発『貧困と労働者』2

どのようにすれば商品形態を商品にすることができるのか。人間の表象能力だけで情欲を貨幣にする方法。しかし商品を作る生殖の能力と倒錯の情欲による幻想の能力は完全に対立しているのではなかったか?ここで問題になるのはなぜ商品形態を迂回する必要があ…

三回目の爆発『貧困と労働者』

論理的には人は独りで食料などなくても生きていけるということだろうか。食料というものはどう考えるべきなのか。それは経験的自明性なのか。もし最低限の衣食住が確保されないのなら人間は繁栄できないだろう。しかしその最低限はどこまでも引き上げられう…