風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

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忘却の構造の攻略Wiki

精神分析とは何か?それは魂の因果連鎖による抑圧を忘却の言語で構造化する試みである。「たまには好きなことを書いてみようと思ったわけだが、そうするととたんに気が抜けてしまう。まあ今回はいつもみたいにグルグル回転して気持ち悪くはならないだろう。…

現行政権の道徳的要求

強硬採決などという外見に騙されてはならない。単純に野党は役立たずで与党はアメリカの言いなりだということさえ知っていればいい。つまり日本の国会では自国の政策を決定することはできないということである。もうひとつの児童ポルノの罰則化の方が問題で…

世界大劇場(聖体神秘劇)

核抑止における狂人の仮定は理性的に核兵器を使用することができるという信仰によって維持されている。もはや核兵器を持つことは国家にとって理性的でないにもかかわらずである。国家主権を直接破壊できるような核戦争は近代的な戦争のカテゴリーには入らず…

探求の爆発2

我々一切の価値の価値転換だけがこのようなことを語ることができるのである。しかし私がつくづく感じざるを得ないのは、ローマ人がユダヤ教やキリスト教を「迷信」と言った時の気持ちが分かってしまうことだ。後世の我々はこんなものが勝利したとはとても信…

二十回目の爆発『資本蓄積』

・貨幣は買う能力を使用者に付与する。貨幣増刷におけるインフレは課税手段になりうる。それは借りている貨幣、あるいはより信用が物質化されている形態の貨幣の価値と信用を減少させる。つまり貨幣によって計算される利益と、欲望によって解釈される利益が…

忘却の明晰さとしての永劫回帰

「ところで明晰さとは―――(つまりそう主張され、そう認められているものと、隠された実在とのあいだには、完全な不一致があるという思考のことだが)―――ニーチェにとっては、生の反対物、力の衰弱現象のことではないのか。まさしく真ならざるもの、人間とい…

大衆宣伝の技術

宣伝における効果を挙げるための前提条件。 ①宣伝は目的であるか手段であるか?―――宣伝は手段である。ゆえに宣伝はその目的に合うように有効に適合しなくてはならない。 ②宣伝を行なうのは誰に対してか?学者か大衆か?―――大衆である。宣伝は学問ではなく、…

ハイデガーと決断主義

「決意性は、その存在論的本質からすれば、そのつど、そのときどきの現事実的な現存在の決意性なのである。現存在というこの存在者の本質はその実在である。決意性は、了解しつつおのれを企投する決意としてしか「実存する」ことはない。しかし現存在は、決…

狼の中の羊は蛇のようにさとく鳩のようにすなお

もし「生きた貨幣」が命のない貨幣よりも価値が高く、したがって「生きた貨幣」の方が基準として流通されるようになったら、人は論理的に考えて自分の持っている命のない貨幣を「生きた貨幣」とどんなことをしても交換すべきだということになるはずである。…

仏教と永劫回帰

中勘助の「提婆達多」が余りにも天才的だったので、ほとんど仏教に憧憬を感じかけた。が、辺りを見回して思い直さずにいなかった。この作品を考えるのに私は手塚治虫の「ブッタ」を使いたい。というのも手塚治虫の「ブッタ」は「提婆達多」と比べると天才的…

ラカン的観点から視た資本主義

「美の顕現は欲望を威嚇し、禁止するのです。美は欲望と結びつくことができないと言っているのではありません。しかし神秘的なことに、美が欲望と結びつくのは、ある用語でしか呼びあらわすことのできない形式においてです。その用語は、美に、不可視の線を…

ニーチェとプラトンの対話

永井均がプラトンは哲学者として破格に偉大だと言ったのはまったく正しかった。いったいプラトンの以外の誰がまともに善は良いことなのかという問いを考えただろうか。誰もがこのことを前提としているのではないだろうか。ところでプラトンに対するイデア論…

差別の系譜

何が差別なのか?現代の常識から言えば、人間の権利に対するひとつの挑発としてしか考えられない次の言葉から出発しよう。 「弱者や出来損ないどもは徹底的に没落すべきである。これがすなわち我々の人間愛の第一命題である。徹底的に没落するように援助する…

東方projectにおける不死の概念

人はどのようにして死ぬことが可能となるのか。間違って永遠化されてしまうのではないか?イエスは死ぬことよりも復活することを恐れたとしたらどうだろう。ニーチェの発狂した後のブルクハルト宛の手紙において彼はこう述べている。「不愉快なのは、あらゆ…

ヴァルター・ベンヤミン『一方通行路』注釈

馬券市場 市民生活とは、私事の体制に他ならない。ある行動様式が重要かつ大きいものであればあるほど、この体制はますます、それをコントロールから解放する。政治信条、財政状態、宗教――こうしたものすべては、恥ずかしげに身を隠そうとする。そして家庭は…

「人形と少女は娼婦と本来同じものである」

この寺山修二のことばを解釈するに当たって、考えなければならないことは、寺山修二は娼婦の概念を肯定的に捉えているということである。彼がサザエさんは浮気をするべきだと書いているのは決して冗談ではなく、磯野家の地獄のような家庭を破壊するためにな…

異世界と政治経済学批判

異世界とは何のことなのか?「常識と非常識」が逆転していることだろうか?異世界に対する基本的な定義はファイヤーアーベントの言葉を使うのが手っ取り早い。「われわれは、われわれが住んでいると思っている真の世界の特徴を発見するためには、ある夢の世…

「いーちゃん」とは一体何者なのか?2

木を隠すなら森の中。狂人を隠すなら天才の中である。いーちゃんについては周知のことだが、まず名前についての問題がある。しかしこれについてはすでに作中で説明されているので詳しく述べる必要はないだろう。次にこれは私が出す読解の前提として妹との関…

「いーちゃん」とは一体何者なのか?

ラカンの引用から始めよう。いーちゃんの問題系に近づくためにはこの問題は避けては通れない。 「(…)フロイトはある主体にとっては、母の欲望こそが、この(愛情生活の)おとしめの根本にあるのを示してくれました。まさしくそういう主体は近親相姦的な対象…

アニメ『コードギアス』と天皇制2

日本の国民運動を語る上で欠かすことができないのが天皇制である。いったいなぜ天皇制が問題になるのか。日本を植民地だとみなしたアニメ「コードギアス」はこのことに対して一つの説明を提示してくれる。「コードギアス」において私がここで注目するのはニ…

東浩紀『一般意志2.0』とアニメ『サイコパス』

私の前提はアニメ「サイコパス」は東浩紀氏の「一般意志2.0」の理想的な表現だということである。私は東氏の著作の内容に完全なる擁護を与えるためにこの文章を書いている。そのことを東氏のルソー的な概念を私のニーチェ理解に基づいて批評してみるとし…