風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

引用

戯言遣いの生産

「位階を決するのは権力量であり、君自身がこの権力量にほかならない。残余のものは臆病である。」(ニーチェ『権力への意志 八五八』) 「私の教えようと欲するのは、多数者に我が身を抹殺する権利を与える思想、―――育成する偉大な思想である。」(同上『一…

探求の爆発

「私にできるのは、つぎのような譬喩によって私の気持を述べる、ということだけであります―――すなわち、もしある人が本当に倫理学に関すると言ってよいような本を倫理学について書くことができたら、この本は爆発して世界中の他の本を全部破壊してしまうであ…

爆発探求4

つまらない説明を長々としたからには、ちょっと一息入れて笑い話をするとしよう。それは、どうしたら奴隷とか家畜とかいう言葉を使わないようにすることができるのか、ということである。一度しか言わないのでよく聞いてほしい。人はヘーゲル病にかからなく…

涙と聖者

被災地のボランティアに行ってきた。これは私の方針に反することなのだがしょうがない。相変わらず当たり障りのないことと「善意」しか持ってない連中のあつまりだが、現地の人々は精神を除いて活気に溢れている。ここで精神というのは元気という言葉で言い…

ギムの惑星ヨーヨー

「私がけっして近づかない問題、私の世界や私のルートにはない問題がある。西洋の思想界の問題だ。ベートーヴェンが(そして、もしかしたら部分的にはゲーテが)近づいて、格闘した問題だが、これまでどの哲学者も取り組んだことのない問題である。(もしか…

『爆発の引用』5

「ニーチェが彼固有の体系の拒否によっていわんとすることは、哲学の課題が、「諸問題」の伝達にあるとすれば、ある一定の社会状態が自分自身の「文化」についてあたえる一般的な解釈を哲学は乗り越えることができない、ということである。ニーチェが西洋文…

『爆発の引用』4

「リヴィウスがタキトゥスが、マキャアヴェリが歴史書を書いた目的を考えてみよ。現在からの逃走と慰安ではなかったか―――たびたび昔はこんなふうではなかったとか、昔もこのとおりだったとか、あるいは、昔はもっとよかった、などという考察をすることで甘ん…

『爆発の引用』3

「カフカが真に天才であるのは、かれが伝達不可能性に固執するために真理を犠牲にするというまったく新しいことを試みた点にある。」(ハンナ・アーレント『暗い時代の人々(ヴァルター・ベンヤミン)』) 「40.7.6 ドイツの指導者層にならって、今度はフラン…

『爆発の引用』2

「前世紀の半ばから、感情生活を守るという名目で、産業文明のもたらす荒廃に対して激しい非難が向けられてきた。産業の諸々の生産手段が情動に対して有害な作用を持つとみなすこと。それは精神を堕落させる産業の力を告発するという口実で、じつは産業に精…

『爆発の引用』

「労働生産性は、どうして追いつくようになったのでしょうか。ふたつ理由があります。ひとつは農業就業人口・農業人口が減ってきたということです。それから一方では、固定資本の増加といいますか、機械とか農機具とかの増加と、質の上昇でもっと労働生産性…

ハンナ・アーレント『全体主義の起源2 帝国主義』3

「諸権利を持つ権利―――これは、人間がその行為と意見に基づいて人から判断されるという関係の成り立つシステムの中で生きる権利のことを言う―――というようなものが存在することをわれわれがはじめて知ったのは、この権利を失い、しかも世界の新たな全地球的…

ハンナ・アーレント『全体主義の起源2 帝国主義』2

「(…)人間がもはや人生のために生き、人生のための人生を愛するだけの力を奮い起こせなくなったとき、冒険とゲームのためのゲームは最後の大いなる人生のシンボルと見えてくる。秘密機関員キムの物語が帝国主義時代の最大の記録文書となり得たのは、情熱的で…

二十四回目の爆発『情報の抵当としての記憶の身体』

「「生きた貨幣」となった産業的奴隷は、同時に富を保証する記号としての、またその富そのものとしての価値を持つ。それは記号としては、他のあらゆる種類の物質的富に代わる価値を持つのだが、富としてはしかしながら、おのれがその満足を体現する要求=需要…

無力さの表現

「力への無能力。それが装う偽善と利巧さは次のように現れる。すなわち、 服従として(順応、義務を果たす誇り、道義心……) 屈服、献身、愛として(損害賠償および間接的自己美化としての、命令者の理想化、神格化) 宿命論、諦観として 「客観性」として 自…

ポール・ヴィリリオ『民衆防衛とエコロジー闘争』

「軍団の密集した防衛の後に、身体なき抵抗が続く。このクラウゼヴィッツ的な《どこにもない》は本質的である。というのも、身体なき抵抗の彼方で、軍事的捕食者によって居住不能にされてしまった地上で、既に領土なき抵抗が思い浮かぶからである。」(ポー…

二十三回目の爆発『選別の教義』

「かりにこんな教義が教えられたとしよう。―――おまえがこれこれのことをして、かくかくのように生きるなら、死後、おまえを永遠の苦しみの場所に連れていくような「神」が存在するのだ。大部分の人間は苦しみの場所に行くことになり、ごくわずかな人間だけが…

ショックボム

「或る学士試験から。―――「あらゆる上級学校の使命は何であるか?」―――人間を機械にすることである。―――「そのための手段は何であるか?」―――彼は退屈することを学ばなければならない。―――「どうしたらそれが達成されるか?」―――義務の概念によって。―――「誰…

十八回目の爆発『隣人愛』2

「私の人間愛は、私が相手の身になって共感共苦している点にあるのではなく、相手に共感共苦しているそのことに私が耐え忍んでいる点にあるのである。……私の人間愛は休む間もない自己克服だといっていい。」(ニーチェ『この人を見よ』) ・なぜ奴隷や家畜な…

十八回目の爆発『隣人愛』

「愛にたいして効き目があるのは、大抵の場合依然としてあったあの古い荒療治―――愛し返すことである。」(ニーチェ『遺された断想 1883年夏』) ・隣人愛とは、ある理念が他者と出会った時の症候である。具体的にはアウシュビッツ、原爆、アブグレイブ、人民…

テロリズムに反対して3

「この研究に携わる合衆国空軍ランディ・ワイデンハイマー中佐はこう語った。「これまで宇宙空間は、通信、偵察、監視という観点から軍事的関心の舞台と見做されてきた。今日、われわれは、人工衛星を文字通り武器として利用するのでなければならない。」こ…

テロリズムに反対して2

「テルミドール律法はブルジョワ的な規範へと後退しつつあり、しかもこの後退を「新しい」家庭の神聖さなどというごまかしのことばで隠蔽している。この問題でも社会主義の無力さが偽善的な体面によって隠蔽されているのである。とくに子どもにかんする問題…

テロリズムに反対して

「学校と生徒の社会生活はまったくの形式主義と偽善でつらぬかれている。子どもたちは息がつまるほど退屈な集会を数かぎりなく催すことをおぼえた。その基準はきまって名誉幹部団というものが設けられ、親密な指導者たちにたいする賛美と、まえもってお膳立…

いかにして「新しい商品」が最後にはゴミになったか―――一つの誤謬の歴史

1 資本家、発明家、金持ちにとっては発明される新しい商品、―――彼はこの商品のうちで生きている、彼はこの商品そのものである。(貨幣の最も重い形式であり、比較的賢明で、単純で、説得力がある。「私こそスミスは神の手そのものである」という命題を書き…

ピンキーのディシプリン

「経験の示すところでは、退廃の一途をたどる階級は、進歩の途上にある階級より、政治屋のまことしやかな演説に容易にだまされてしまうことから、人びとの政治に関する洞察力は、彼らの生活を規定する諸条件と密接な関係があるように思われる。繁栄している…

十二回目の爆発『欲望の排除』

「世界の中のどこに刑而上学的な主体が認められうるのか。君は、これを眼と視野の関係と同じ事情だと言う。だが、君は現実に眼を見ることはない。そして、視野におけるいかなるものからも、それが眼によって見られていることは推論されない。」(ウィトゲン…

十一回目の爆発『軍隊の問題』2

「カーター大統領は、このような理由から、アイゼンハウアーが一九六一年に行なった軍産複合体制を批判する演説を踏襲し、国民へのお別れの挨拶の中で次のように述べた。「狂気、絶望、所有欲、価値判断の誤りなどによって、この恐ろしい力が解き放たれるの…

十一回目の爆発『軍隊の問題』

「武装した兵員数は、常に需要の絶対量を規定する。これは自らは物質の生産者ではなく、ひたすら食料を消費する者の数を定めることだ。軍隊によって、兵士(あるいは兵士の家族)というひたすら消費する者たちがつくり出されるということが、経済的に重要だ…

ファイヤークラッカー

教育改革の意味はただ次の一点にある。それは政府が教育機関に対して独自に干渉する権限を手に入れたということ。総合評価という言葉は、政府が学生の「適正」を評価する基準を一方的に制定するということにほかならない。彼らが何をしようとしているのかは…

九回目の爆発『生きたパン』

生きたパンになるためにはパンへの欲望を排除しなくてはならない。欲望は禁止するからだ。パンへの欲望は断食か過食を引き起こす。だからこそ神という存在しない悪循環の概念を愛することと、神によって生み出された「隣人」を愛することがあらゆるものを与…

ねずみ花火2

「飽きもせずに「分業!整列!」という近代的な戦闘殺戮用の号令をかけている人たちには、一度きっぱりとこう言ってやらなければならない―――君たちが科学をできるだけはやく促進させようとすれば、同時に科学をできるだけはやく破滅させることにもなるぞ、牝…