風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

忘却探偵僕様ちゃんの思考実況3

これは自重(自嘲)しない無知を示す批評である。西尾維新について特権的に語ろうとすることは今まで留保してきたことを明るみに出す作業でなくてなんだろう。最初の疑問(偽問)「天才とは何か?」は近親相姦の事実を隠そうとするための罠ではないのか。殺…

忘却探偵僕様ちゃんの思考実況2

異世界転生小説は未知の世界でどのように生きればよいのかという教養小説の形式をとっている。ここで重要なのは異世界の知識をどのように学習していくかという態度がまったくブルジョア的だという点にある。自身の能力を労働力として計算することで商業の通…

忘却探偵僕様ちゃんの思考実況

平等な権利を正当化しある種の人間に利益を与えることは不満を商品として生産し実験によって作業を効率化するための罪の規範を記録しておくということである。法の侵犯を解釈として類型化することは人間を画一化して管理しやすくする機能を含んでいる。しか…

『グラスリップ』の哲学的批評

豚に真珠を投げてやってはならないという大切な教訓を再確認させてくれる貴重なアニメ『グラスリップ』は、大衆に口を挟ませしょうもない欲望に奉仕するのでなければ評価を獲得できないという文化犯罪の現状に対する証拠物件である。大衆に理解されることが…

聖杯戦争のルール説明3

絶えず自身を改革し、思考における高次のステージを目指さなければならないという要請はどこからくるのか。そもそも高次のステージとはなんのことなのか。自分がなんとなく他人よりも上にいて満足を感じる状態のことなのか。ということは思考に対して感情が…

聖杯戦争のルール説明2

現在の我々は何を考えればいいのか。考えることは表象を創造するための一形態であるという認識から出発して既存の権威を乗り越えることができるような場所や手段を探すこと。そのための具体的な手段としてまさにこの方法を使って考えられているサブカルチャ…

聖杯戦争のルール説明

考え始めるとはどういうことか。認識や判断ですらコストとして見なされる状況で方法的懐疑は大量の情報を前に役に立たない。考えることは手段なのだから意識が常にいっぱいになっているのは良くない。一つの目的を発明することで思考を利用できるようにする…

キューちゃんの宇宙開闢プレス

〈Sound Horizon〉〈…Reloaded〉私たちが作ってきた文化とはなんだったのか。正確に言うならばもちろんそこに私はほとんど参加していないにもかかわらず同じ罪と快楽を分かち合うことになる文明あるいは人間という惑星伝説の衝動。殺し殺され奪い奪われ苦し…

忘却の構造の攻略Wiki

精神分析とは何か?それは魂の因果連鎖による抑圧を忘却の言語で構造化する試みである。「たまには好きなことを書いてみようと思ったわけだが、そうするととたんに気が抜けてしまう。まあ今回はいつもみたいにグルグル回転して気持ち悪くはならないだろう。…

ウィトゲンシュタイン

ウィトゲンシュタイン………この可憐な名前から人は何を想像するだろうか。二十世紀の最も優れた哲学者、独創的で奇天烈な変人、明晰な思考をつらぬいた天才。私ならこう答えるだろう。それは他人の名前の一つの使用法であり、状況よって様々な形容詞がつく場合…

ニーチェ

ニーチェについて人が考える時最初につまずくのは、ニーチェが人に何かを教えようとする為に書いているのではないということを感じられるかどうかということにある。カントやヘーゲル、それにハイデガーやポストモダン思想家から哲学に入った人はこの点で非…

断絶のアフォリズム

「(…)ギリシア人は、各人に自分の行為に対して責任を取らせ、それに基づいてその人を処遇するなどということを一瞬たりとも考えたことはなかった。これの古典的表現は、盗癖のある奴隷についての有名な逸話であり、この奴隷は、自分には盗むことが運命によ…

失業者のパーティー編成2

「野生の失業者が現れた!」「失業者を捕まえて強化育成しよう!」「目指せ難民マスター!」 失業者を捕まえる(改心させる)ためには、虚構であると認識される限りで楽しませる禁欲的な理想を与えるのでも、深遠ですごい評価を与えるのでも、他人とは違う超…

失業者のパーティー編成

政治とは何か?それは神聖なまでにもったいぶった謙虚さを見せびらかすことでもあれば、窮地に陥った貧弱な想像力による暴動でもありえる。政治について理解するには二通りのやり方がある。何らかの侵害を告発することと腐敗からの覚醒を煽動すること。実践…

思想の攻略パターン

思想とは何か?それは類型を強化育成するための手段や制度であり、悩める者を救うための説明や理論でもある。つまり情欲を固定化することも含めて人間を変化させるという口実で、真として信じられる限り有効な誘惑の魅力を持っている行動のことである。思想…

文化の回帰

文化とは何か?科学にとってそれは自身の無知を表現するための集団的な実験を意味する。自由、すなわち自分は何の罪も犯していない善良な人間であるにもかかわらず、悪人や狂人から絶えず危害を加えられているという被害妄想を基本的な意識とし、そこから文…

事故のカーニバル

事故とは何か?民主主義にとって事故とは科学や国家の能力を実験するための理想的なスペクタクルなのだが、原発事故は逆にこの両者の無力さこそ証明してしまった。この無力さから噴出する憎悪を神々の見世物と称して悲劇にするには人間身体の直接的な参照を…

学問世界の解呪

感覚が技術によって多様になった世界で言葉を使う意味はあるのか。メディア技術は何のために利用されているのか。記録するためのメディアは腐るほどあるが記憶するための方法は以前として苦しませることと楽しませることしかない。同様に送信するための技術…

亡者のための人間ゲーム

意地っ張りで我慢強い 砂場城児という少年は 貨幣への意志を持っていた 人間関係の大海を すいすい泳ぐのは苦手でも 病的な気位と執念で 周囲から浮くのは得意である 「ライトノベルは教養や 権威の規範を堀崩す だから都合がいいと怒りだす」 独り言の天才…

貨幣からの手紙2

「「現実に起こった事件は、不幸なことに、この手紙に、予言としての価値を与えてしまった」と書く回想記作者は、この不幸にしての一語を書きうることの幸福を享受しているのである。実際、回想記の中で、わたしはそうした悲惨な結末の到来を知っていたと書…

貨幣からの手紙

あなたのブログを読んだけど あいもかわらず賎民ね 圧政しかわからない奴隷には 純粋精神がお似合いよ 楽しみましょうの一言で キルケの豚になるのにね 特異な感情独在性 ありもしない空言に 「あなたの気持ちわかります」 アピールしたらどうでしょう それ…

哲学的中傷のデッキ構築3

しかしこれはまだ準備段階でしかない。欲求の満足の質と満足を与える技術の質とを混同した自らの運命に飽食した奴隷たちに、彼らが未来に絶望するような一つの悪循環の記号の可視化を与える必要がある。選別は量的貨幣の所有によって自ずからなされる。つま…

哲学的中傷のデッキ構築2

労働者の価値観の推移は次のようになる。①勤勉な労働による一定水準の労働の安定②貧困の感覚がメディア技術によってカリカチュアになること③貧困に対する迷信じみた恐怖と享楽への耽溺④貧民の狂信的暴動を抑えるための手段によって富裕者が悪役になる⑤財産の…

哲学的中傷のデッキ構築

哲学的思考はどの程度達成された現実の誹謗によって発展していくのか。重要なのは自分は中傷するのとは別の水準で言葉や身ぶりを発していると思い込むことである。「あらゆる者は救われる」は伝達のための口実であり、「すべては許される」は認識のための口…

携帯型天子兵の帽子屋

「国民を守ってやろう。アメリカ国民をな!」 「我々は世界平和を目指して活動しています。ところで世界とはアメリカのことです」 軍事戦略のみならず経済戦略にしても、この「戦略」という言葉を使えるのはアメリカだけだということを思いだそう。我々は冷…

引用者の注釈

私としたことが夏の暑さで頭がやられてしまったらしい。統計的能力の無能さにもかかわらず語る口実として利用してしまうとは!こんなことをするんだったら国民経済学を全否定した方がましだ。数字の説教家や福音的宣伝広告にやられてしまうところだった。単…

引用の装飾2

「ところで、すべての人類の歴史のなかで、「同一の」人間の性質が問題になっているということは、そもそも自明の理である。これはすべての歴史記述の根本前提である。それというのも、これなくしては、われわれは歴史上の出来事をまったく理解できないから…

引用の装飾

「すでに作品を書き、そこに自分の言わねばならないことはすべて言ってしまっているのに、まだ自分は未完成で「大著」に取り組んでいるのだと他人に思い込ませる―――これがマラルメの、なかば無意識的な、なかば計画的な術策だった。自分への要求が強すぎるあ…

風車に挑戦する遍歴の騎士タルチュフ

ここでは資本の理念により遍歴の騎士となったタルチュフとギターを持つ従者スメルジャコフの物語が語られる。ルサンチマンに公正ではないというレッテル貼りをすることは憎悪や嫉妬の独創性を無視することに等しい。現在の状況を戦前の状況と比較して戦争に…

幻覚系クラッキング

物語を語っていると自覚できるのはなぜなのか。超高難易度のパラノイア弾幕。真理が妹であるとすればどうか。「兄が気違い染みてしまいます」だが気違い染みているのではなく狂っているのだ、と折口学の独白。「私が心配なのは自民党がきちんと平和憲法を破…