忘却探偵僕様ちゃんの思考実況

平等な権利を正当化しある種の人間に利益を与えることは不満を商品として生産し実験によって作業を効率化するための罪の規範を記録しておくということである。法の侵犯を解釈として類型化することは人間を画一化して管理しやすくする機能を含んでいる。しかし整理された情報が膨大な量になると機械による作業効率は上昇しても目的達成の観点からは不毛な労働をしているにすぎないということが意識されるようになる。権利を認めていくほど生活を保障する実質は失われていき監獄による隔離が普遍化していくような事態に対処するために統一的な基底を持ったパターン構造を法の代わりに導入し不満の生産をゲームのシミュレーションに変えることで実験の効率性を形式的な競争にすること。競争はそれ自体としては生産的ではなく何らかのルールを制定しなければ狡猾さによる不毛な奪い合いになることが想定されるので、できるだけ包括的なシステムを信頼性のあるネットワークにするために安全性の技術開発が行われる。ゲームとしての面白さを追求しつつ生産的であるような基底を持ったルールを制定するためには作業を効率化するための罪の規範がかえって邪魔になるのでデータベースに集積された情報の記録を運命として決算するために人工知能が要請される。結局個人の責任ではネットワークが管理するクラウドを担保しきれないのだ。しかし人工知能に頼るのでなければ情報を忘れることが許されないというのは高度に宗教的である。つまり人間は忘却に決戦を挑んだことで記録の犠牲になるのだ。