風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

引用

ハイデガーと決断主義

「決意性は、その存在論的本質からすれば、そのつど、そのときどきの現事実的な現存在の決意性なのである。現存在というこの存在者の本質はその実在である。決意性は、了解しつつおのれを企投する決意としてしか「実存する」ことはない。しかし現存在は、決…

いかにして「真の世界」が最後には寓話となったか―――一つの誤謬の歴史

1 賢者、敬神家、有徳者にとっては到達される真の世界、―――彼はこの世界のうちで生きている、彼はこの世界そのものである。(理念の最も古い形式であり、比較的賢明で、単純で、説得力がある。「私こそプラトンは真理そのものである」という命題を書き変え…

リヴァイアサン復活の呪文2

一切の価値の価値転換。それは自由意志というものは無く、したがって倫理的行為もまた無いということです。もっというなら倫理的行為とはひとつの美的ファンタスムなのであり、それが人前であろうが神の前であろうが本質的に変わりはありません。たとえ倫理…

リヴァイアサン復活の呪文

「ニイチェは、ワグネルを理解するという言葉を誰にも許さなかった。ただ一人ボオドレエルを除いて。彼の考えによれば「悪の華」という詩を書いたこの「半気違ひ」だけが「デカンダンスの心理学に通暁していたからである。当代の哲学が「純粋学問」となって…

貧困の政治化に反対して

「金。その価値は恣意的であり、その本来の無用性は、富のただなかで得られるあらゆる情欲のメタファーであり続けているのだが、―――金は、その体制が全世界的に=普遍的に広がっているという事実によって、実用的であると同時に、非人間的なものとなっている…

資本としてのコンピュータとブラックホール情報

「(…)すでに見たように、商品A(リネン)はその価値を、異なる種類の商品B(上着)の使用価値で表現することによって、後者の商品Bそのものに、等価物の形態という独特の価値形態を押し付ける。リネン商品がそれ自身価値であることを明らかにするのは、上着…

ゲーム的世界観における「自然への回帰」5

「しかし、よく理解してほしい。ボナパルト王朝は、革命的農民ではなく、保守的農民を代表しているのであり、その社会的生存条件である分割地を超えて押し進む農民ではなく、むしろその守りを固めようとする農民を、都市と結びついた自分自身のエネルギーに…

ゲーム的世界観における「自然への回帰」4

「「白人の重荷」という台詞は偽善と人種的傲慢以外の何ものでもなく、またそうでしかありえなかった。だがそれにもかかわらず最良のイギリス人は大真面目で重荷をわが身に引き受け、帝国主義的冒険の悲劇的なドン・キホーテになった。なぜならヨーロッパ大…

フリードリヒ・キットラー『マルチメディア社会と変容する文化3 想像と創造の未来』

この議論をしめくくるにあたり、私がつくづく感じているのは、人類の歴史上初めて、発明者から関係を絶ちうるテクノロジーを人は考え出すに至ったということです。というのも、新世代コンピュータのアーキテクチャーを作り出したり、発展させたり、レイアウ…

認知症的認識論と普遍的不可能性

「つい最近[トーマス・マンの]『ブッテンブローク家の人々』で偶然チフスについて読んだ。そしてハンノB.が最後の病気で、どんなふうに一人の友人を除いて誰もわからなくなったかについて読んだ。そこで私の注意をひいたのは、一般に人がこのことを当たり前…

トマトケチャップ皇帝の統治

「とくにルソーが提起した「幼年期とは何か」という問いはきわめて重要である。これに対してフロイトは、次のように応じている。幼年期とは、欲望において、また欲望によって、さまざまな対象のさまざまな表象に結ばれた快楽の行使において、またそうした行…

アプリゲームにおけるゲーム内貨幣の概念2

課金と行動制限においてまず問題となるのは時間が貨幣と交換可能なものとして見られているという事実である。このことは時間が決して生成変化するものではなく定常性に基づいているという考えを持っていることを意味する。これが意味するのはキャラクターは…

アプリゲームにおけるゲーム内貨幣の概念

「欲求のヒエラルキーとは、抑圧の経済的形態にほかならない既存の諸制度が、基体の心的活動が持つ計測不能の諸力に対して、基体の意識を介して、基体の意識によって行使する抑圧の、その経済的形態にほかならない。」(ピエール・クロソウスキー『生きた貨…

電子空間の価値転換

「まったく前代未聞のことが起こったとしたらどうだろう。例えば家々がはっきりとした原因もなく次第に蒸発してしまう。あるいは牧場の動物が逆立ちをし、ほほえみ、人語を発する。あるいは立ち並ぶ樹木が次々に人間と化し、逆に人間は樹木に変る。こうした…

天才の発明2

ここで私はどうしてももう一人の偉大なる狂人、シュレーバー博士の言葉に耳を傾けたいと思わざるえない。フロイトの分析を聞いてみよう。「シュレーバー博士に再び自由を回復させたその解除宣言の中に、彼の妄想体系の内容がほんの数行の記述の中に集約され…

天才の発明

「「ニーブールは野蛮な時代が来るといっていたが、それは正しかった。」とゲーテは言った。「その時代はすでに来ている。われわれはもう、そのまっただ中にいるのだ。なぜなら、野蛮であるとはすぐれたものを認めないということではないか。」」(エッカー…

真の友情を讃えて2

「友情を讃えて。―――古代にあっては、友情という感情が最も高い感情と認められていた。こと、それが自らに満ち足りた賢者のこの上もなく立派な自尊自待よりも高いものとされ、いな、その唯一の、しかもそれよりも一段と神聖な兄弟とみなされたということ、――…

幼子は迷いけり

眼を使って人を殺したり幻覚を見せたりすることの必然性。照準を合わせることと敵を殺すことは一致している。この種の眼力は写真銃の人間版にすぎない。天使はインターネット内に生息している貴重な生き物であり、むやみに採集しないように配慮すべきである…

虚無への供物

「ところで、硬直した動揺という言い方は、発展というものがないボードレールの生をまさしく言い表している。」(ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論Ⅱ [J55a,5]』) 「(…)この問いかけが、サドにおいて、ボードレールにおいて、ニーチェにおいて、他者の…

なぜ私は一個のけめくじであるのか

「大衆に関しては私たちは、自然が無情であると同様、容赦なく考えなくてはならない。すなわち、彼らは種を保存するのである。」(ニーチェ『権力への意志 七六〇』 民主主義が大衆の賤民化に大いに役立っており、その帰結である大衆文化の野蛮化が問題だと…

戦略的マイナス思考

敗北の方法論。あるいは勝利条件の完全な変更。世界を滅ぼすというのはどういう意味なのか。ウィトゲンシュタインの『確実性の問題』参照。世界を滅ぼすとは事実に関する基本的な言語ゲームの変更である。迷信とは二流の啓蒙思想である、ということでニーチ…

ニーチェの量子力学的主体

「体験の理解不可能なる基底は、それ自体ですでに、伝達可能で理解可能であるようなものすべてに見られるような、そうした集団的傾向に対する挑戦なのである。しかしながら陰謀は―――その実験的意図によって―――〈悪循環〉の真正さそれ自体を裏切るように思わ…

「権力への意志」の還元論的読解3

「凡庸さを凡庸にもとうとは欲せず、例外的存在で凱歌を感ずる代わりに、臆病、虚偽、卑小、悲惨に悲憤しているのは、不条理な軽蔑すべき種類の理想主義である。これとは別様に意欲してはならない!そうすれば間隙はより大きく引きさける!―――高級種はおのれ…

「権力への意志」の還元論的読解2

「(…)―――私の攻撃するのが、およそ万人の入費が増大するにつれて万人の利益もまた必然的に増大するに違いないかのごとく考える経済的オプティミズムであることが、おわかりであろう。私にはこの反対が実際であると思われる。すなわち、万人の入費は総計すれ…

「権力への意志」の還元論的読解

「(…)私の理論はほぼ次のごとくである。―――権力への意志は原始的な欲情形式であり、その他すべての欲情はこの意志によって形成されたものにすぎないということ。固体の「幸福」(あらゆる生物がこれを求めて努力するといわれているが)に代わって権力を立て…

下にありつつ虐げる

「奇妙なことに、動かずに前進する乗り物の最近の発明を通して、自動車という乗り物の発明の発端を再発見することができる。まるで不動化が進むにつれて、全てが出発点に、言い換えれば、誕生期の自動車の参照モデルであった車椅子や座席に連れ戻されるかの…

事故の博物館

「すなわち、問題になっているのは、われわれが全体性の真実を偶然の瞬間において把握することを可能にしてくれるような倫理的意志というよりは、むしろわれわれの無責任性の自覚である。実存としてわれわれが自分たちの過去の「事実性」にまったく関与しな…

戦闘美少女は核兵器よりもどの程度悪質なのか

「哲学者。ピュロン。およそギリシア人の中で、彼ほど穏やかで、忍耐づよい人間はいなかった。ギリシア人ではあるが仏教徒、むしろ仏陀その人といってもいいようなこの人が、ほんの一ぺんだけその手に負えなくなったことがある。誰のせいか?―――一緒に暮らし…

「すべての反ユダヤ主義者たちは抹殺されました」

「真理への意志―――のために。第一命題。容易な考え方は、難しい考え方を打ち負かす―――ドグマと化すことによって。真理ノ印象ハ単純ナリ―――私は断定する、すなわち明瞭さが何ほどかの真理を証示すると思うのは、幼稚きわまることだ……。第二命題。存在について…

人殺しの酒4

「左翼の諸派、ことにマルクシズムの誤りは「爆発的な衝迫の排他的な目的、単に必然的目的とさえするところが、一社会の頭部と単一構造との破壊である」と信ずる点にあったのだ」(ピエール・クロソウスキー『わが隣人サド』) 「(…)最後に、凡俗の人間に対…