風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

真の友情を讃えて2

友情を讃えて。―――古代にあっては、友情という感情が最も高い感情と認められていた。こと、それが自らに満ち足りた賢者のこの上もなく立派な自尊自待よりも高いものとされ、いな、その唯一の、しかもそれよりも一段と神聖な兄弟とみなされたということ、―――この事実を実によくあらわしているのは、例のマケドニアの王様の物語であるが、この王は、世を白眼視するアテナイのある哲学者に一タラント贈ったのに、それが送り返されたそうだ。「どうしたことだ?―――と王は言った―――彼は友人なんか要らんとでも言うのか?」王の言わんとする主旨はこうだ。「予は賢にして独立する者のこの自尊時待に敬意を表する。だが彼の心内の友人が、彼の自尊自待に打ち勝ったのだったら、予はさらに高く彼の人間性に敬意を表するであろう。この哲学者は、二つの最高の感情の一つを―――しかもより高い方のものを知らないということを示したことにより、予の軽蔑を買う羽目になったのだ!」(ニーチェ『悦ばしき知識 61』)
「ならば本能をして知っているはずだね。知っているはずだとも、孤独と孤高の違いを。異端と末端との差異を。そう、その辺については君の思っていることが大体正解だ。」(西尾維新サイコロジカル』)