風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

勇気の公共投資

現代日本の政策は多国籍企業の海外進出のために増税国債とそれにボランティアや軍隊までつけて開発支援をやり、それで得た利益を海外の金融証券に投資するために新技術までくれてやることで国民を総活躍させるというものだ。女性を働かせながら子供を生ませたいのは労働生産性を確保するためだという。これほど「裕福な国」が自国民を外国の奴隷として売りさばくというのは歴史的壮挙といえる。独裁によって学問が禁止されているわけでも文化がないわけでもないのにだ。日本は真の犠牲精神というものを持っておりそれは人類の代表であるアメリカのために捧げられなくてはならないという。私は驚嘆する。現代経済の問題は、資本における労働力の形態と技術によって発達した人間の欲求がまったく噛み合っていないところにある。働くために生活水準を落とすしかないとするなら誰が働くのか。これは本質的に個人の欲望の問題であって統計的公平さが問題なのではない。労働者の賃金を上げてもインフレと増税の分が帳消しになるのがせいぜいであって生活水準は改善されない。それでも公務員の給料を労働者の賃金と同時に上げるのは正しい。国債の発行によって軍事に傾注するのは、政府が保護する一部の企業が儲かるだけで、他の企業は需要が減って破産し失業が増大する。もしこの事によって軍隊に入る人数が増えると考えているのならあまりにも楽観的である。増税による生活水準の低下が実感されてくるにつれ労働者は暴力やストライキをせざる得ない状況に追い込まれるだろう。学生の就職難もこの傾向を加速し労働者ではなく反体制主義者ばかりが生産されることになる。そこで人々が芸術や創造を求める気持ちを分析し、文化産業や表現の機会を増やすように資金を融資すれば多少の生活水準の低下も補えるし国内経済も活発化するはずだ。そうすれば資本材生産者の利益も上がり、労働者の賃金も上がる。設備投資による効率性の上昇よりも遊休施設をなくす方が現在では遥かに効果が大きい。さらに消耗品の発注で中小企業の生産も増えるから税収入も増えるし失業によって生じた生活保護費も削減できる。残る問題は東方のように資本主義を手段として扱えるような世界観がどれだけ人々の欲求に応えてそれを現実的に組織化していくことができるかということだ。企業戦略として文化の問題が考えられる限りキャラクターの著作権とマーケティングにおける販売促進効果のあるエンターテイメントしか創造できない。物語という枠から外れて制度をゲームとして考案できるような研究チームが必要なのだ。そしてそれこそ私が提案している哲学批評に他ならない。インターネットにおけるクラウドサービスを利用して企業に対する圧力をかけられるような3〜6人で構成されるパーティーをチーム名と共に編成し、自分の体験を意見として主張すること。企業によって生活が趣味に過剰に搾取されているクリエイターの経済的支援を可能にすることが最初の目標になるだろう。