風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

ある詐欺師の告白

私の思い上がりは、自分がまだ心の中で真理の殉教者であることだった。これでは学生と同じである。人は何のために我が身に虚栄心を蓄えるのだろうか。金をむしりとられるためだ。金をむしりとるためにはいくつか知識を持っておかなくてはならない。一番重要なのは、金持ちはたいてい身内同士でしか情報交換をしないものだから、そのグループに一人「信頼のできる人物」を送り込み、その人に最新の情報に応じた投資をするよう説得してもらうことである。金持ちは身内を疑うよりも大金を失うことを喜ぶだろう。さらにいうなら、私がいまここで書いているようなことを警告するとよい。彼らは自分たちは大衆より賢い選択や判断ができることを示すために大金を払ってくれることになるだろう。このことは学者についても当てはまる。彼らの「教養ある」文献学と天才的なまでの自己満足に対して誠実な弟子、「この師を越えることのない輩」を用意すればいい。学者はたちまち評判をより「高尚に」するだろう。運が良ければ信者だけで食っていける可能性もある。その証拠はいかなる批判にも決して屈しないけちな虚栄心が前面に押し出されることである。私は常々人を軽蔑するなら規律と厳格さによって徹底的にやるべきであって、中途半端なだらしなさで人を軽蔑するのは危険だし有害だと思っている。まあ彼らが単なる道具と俗物に成り下がることはむしろ喜ばしいことかもしれない。都合のいい標的になるからである。そういう学者こそ雌鳥よろしくよく鳴くがなんの効果もないことは周知の通りである。ここで私は一つ真面目な提案をしてみたい。彼らを海外に輸出する企業を作ったらどうだろう。そうすれば外国語を自慢しても理不尽な思いをすることは少なくなるだろうし、時代遅れでも幸福な生活が手に入るかもしれない。国内に残る者たちは、せいぜい我々が美味しく頂くことにしよう。