ほとんどすべての人のための哲学入門（ラノベ風）2

学「いろいろ考えてみたんですけど、どれもしっくりこなくって。先生、結局正しい真理というものはあるんですか？」
姫子「あるわよ、教えて欲しい？」
学「また死ねとか言うんじゃないでしょうね」
姫子「そんなこと言わないわ」
学「じゃあ教えて欲しいです」
姫子「じゃあ教えてあげない」
学「では教えて欲しくありません」
姫子「なら真理なんてどうでもいいわね」
学「どっちですか！からかってるんじゃないでしょうね」
姫子「からかってないわよ。だってこれが『真理』なんだもの」
学「どういう事ですか？」
姫子「また繰り返してる。あなたはもう真理を知っているのよ」
学「……つまり僕が先生に真理を質問することが『真理』だということですか」
姫子「ご名答。哲学がわかってきたじゃない」
学「哲学ってこんなことをするんですか？なんだかちっとも先に進んだ気がしないんですけど」
姫子「世間と比べてみればどれだけ進歩したかわかるはずよ。まあ、もう一度しっかりと自分で考えてみればね」
学「なんだか煙に巻かれたような気がしますけど、取り敢えず納得しておくことにします」
姫子「そういう考えのことを懐疑論と言うわね。疑うことを真理と見なそうとすることよ」
学「ありがとうございました！」