風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

ほとんどすべての人のための哲学入門(ラノベ風)

登場人物
折口学 バカ
神埼姫子 天才にして高貴なる神の巫女ついでに哲学者

学「生きる意味が分からない、これは誰もが一度は感じる問いではないだろうか。今日僕は巷で有名な哲学者の神埼姫子さんのお話を聞きに行っている。今ちょうど彼女が講義をするところだ」
姫子「えー、みなさんは哲学の講義を聞きにきたと思うのですが、私がストレス発散したいので皆さんの質問に答えるだけにします。質問がない方はお帰り下さい」
学「なんかすごい始まり方なんだけど……ええい、ここまできたらやるしかない!先生、どうしたら良い生き方ができますか?何のために生きればいいんでしょうか?」
姫子「死ね。今すぐ死ね。なぜ生きているの?あなたの生存様式など誰も知ったこっちゃないわよ」
学「……えっ?」
姫子「もし死んだら死後の生の事がわかるかもしれないわよ。勇気を出して挑戦してみなさい。はい、次の方ー」
学「先生、他の受講者がみんな帰っていきますけど……」
姫子「ちょうどいいじゃない、哲学を誤解している輩にはいい毒だわ。君の名前は?」
学「折口学ですけど……」
姫子「あの質問は最初にしてはよかったわ。誉めてあげる。時間の節約になりました」
学「ですがさすがにあの答えは乱暴過ぎじゃないでしょうか。人生は一回しかないんですから、そう簡単には死ねませんよ」
姫子「よくできました。その一回しかない人生を考えること、これが「良い」生き方の最初の一歩なのよ。ここんところを誤解すると後で変な方向に行っちゃうからね。今回はこんなものかしら」
学「唖然とした僕を尻目にあっという間に姫子さんは教室を出て行ってしまった。まだなんだかよくわからないけど、次の講義にも出てみようと、強くそう思った」