風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

結婚における子供の機能4

子供が社会生産の流通関係に入るためには、正義のヒーロー(アイドル)になるか軍人になるかのどちらかしかない。正義のヒーロー(アイドル)か軍人になることがなぜ子供にとって必然的かというと、社会的な道徳規範を持たずに社会に入るためにはその両者以外に社会の役に立つ方法がないからである。これ以外のあらゆる可能性は生産を阻害するか、商品を消費するだけかのいずれかとなる。もちろん例外として聖人になることと芸術家になることが残されているが、これは普遍的な方法とはいえない。別の世界に転生してもいいのなら魔王とか勇者とかになってもいいが、いつも私はこの点であまりにも簡単にそういった世界に入れることに不満を感じている。逆に社会の阻害を直接目標とする場合は革命家になるか、テロリストになるかのいずれかである。子供に暴力以外の阻害手段などない。いかなる言論可能性も子供からはあらかじめ排除されている。子供が言論の可能性を持つのは常に代理の象徴性を持つ政治家達でしかありえないが、根本的に彼らは社会の利益のことを考えているのであって、子供の利益を考えているのではない。代理の人間は子供と社会の利益が衝突した場合は社会に優先権を与えざる得ない。子供が軍事的に勝つ可能性は、社会が子供なくしては自らの再生産を行なう事ができないという前提条件に依存している。つまり子供を科学的に生産可能になった時点で、反逆した子供は処分されても別に構わないことになる。そうでなくても他の国からの移民を受け入れさえすれば、その国の子供が絶対的に必要というわけではなくなるのだから、労働力的にも軍事的にも子供の勝つ可能性は戦略的に存在しない。子供が革命を行なおうとする場合は、その社会的規範のなさがネックとなる。いかなる生産条件の可能性もないのだから、いかなる統治の方法もまた存在しない。唯一ありうるのは軍事力による略奪だけである。コンピュータに統治をすべて任せられるほど技術が発展したとしても、農業生産はある程度人手がなくてはならず、そのための学問的方法が必要になるのだから、奴隷となる大人が存在するのでなくてはならないが、統治方法が本質的に遊戯なのだから、生産的な奴隷の利用方法を理解できるのはコンピュータだけである。この時点ですでにコンピュータに支配権を売り渡している。つまり子供は天才や聖人以外に支配方式や生産方式を確立することは決してない。子供が独裁者になってうまい統治をするためには文字通り天才でなくてはならない。こうなるともう冒険の旅にでるより仕方あるまい。