風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

国民国家を買おう


論理的には国民国家を廃棄するためには、国民が国家を貨幣で買えばよい。しかし貨幣の価値を決めているのは国家である。だから国民が自らの声を貨幣にして国家を買いたいと表明すれば民主主義的に国家を廃棄できる。では国家を運営するのは誰なのか?これは問いがずれている。国家を運営しているのは、我々一人ひとりの行為であって、何らかの代表や象徴によって統治するということではない。これは労働者ではなくて観想者こそが支配権力を握るということだ。認識の優位性。親からの自立ではなくて、妹に甘えられる兄、姉に献身する弟となって家に帰ること。彼らはゲーマー階級として企業国家と連携し奴隷にゲームのパフォーマンスを与える。ゲームは「主人に反抗する奴隷」という幻想によって行われる。いまや主人と奴隷はいくらでも交換可能なのだ。ゲーマー階級の享楽は奴隷に犯されたい、あるいは子供を産む道具になりたいというふうに表現される。なぜならゲーマー階級は生産にも投資にも縛られてはいないからだ。この享楽が現実になるのは近親相姦の子供を孤児と幼なじみという形式で象徴化した場合だけである。子供の生産は父として名付けられないのだから、子供の方から承認を受けなければならない。うまくいかなかった場合には、生誕の憎悪と水子の欲望が生まれる。享楽は生まれ続けては死ぬことの繰り返しになる。悪循環の生。だからこの嘆きの声を名付けて人生という一回性を取り戻さなくてはならない。