人間の建設

建築の第一条件は壊れないようにするということである。ということは壊れるものが対象であり、それはいつか壊れるのだということを知っているでなくてはならない。第二の条件は出入りができ、外を眺めることができるということである。棺桶と監獄にならないためには「いつでも好きなところへ」が確保されていなければならない。第三に建築は人間の所有物、つまり生活の手段でなければならない。建築のための建築は墓場である。そこでは人間は死体であり、文字通り眠るためにのみ存在する。古墳やピラミッドを考えてみればいい。最後に建築とは人間でなければならない。食べられればさらによい。毛や皮膚が必要なのは生物であることを主張するためである。死が建築の礎となるのはそのためだ。
「家を建てる者たちの見捨てた石。それが礎の石となった。これは主のなさったことだ。私たちの目には不思議なことである。」（マタイ）