風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

穢れなき新世界2

このタイトルは星新一ショートショートから取っているのだが、これは事故を権力として取り扱う政治の可能性を示唆している。事故を意図的に解決‐発生させることができる者が政治権力を手に入れるのだ。この「公害の根絶」という政治目標は非常に予言的である。「公害の宣戦布告」となればなおさらである。公害が発生する原因すべてを取り除くためには当然地球を撲滅しなくてはならないのではないだろうか。こういうものを読むとつくづく悲哀というものを感じる。いやおそらくこの「公害の撲滅」という政治目標は何か非常にスターリン主義的な厳格さというものが感じられる。このことの最終的な帰結とは「人間は公害である」という一言に尽きるのであって、原発事故を収束させることを望む団体は確実にこうなるだろうということは予想できることである。私が1で書いた文章が冗談ごとではなく受け取られるようになるということがありうるのなら、そのときこそ「公害監視協会」などというものは消えてなくなるはずなのだが、そうするには、あまりにも悲惨で、絶望的で、そして笑いが足りないだろう。次世代の理念は公害を起こす人間を撲滅するということにでもなるのだろうか。