ハンナ・アーレント『全体主義の起源2 帝国主義』

決定的なことはむしろ、およそいかなる法規定もないような立場にある人々は、自動的に法体系の逆立ちを引き起こすという点である。無国籍者とは「法律がそれに対して何の供えも持たない変則状態である」人間である故に、彼が正常状態に戻れる唯一の道は、法律に定められている規範を犯すこと、すなわち犯罪を犯すことであ…