風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

壊変性楽器による声の召喚4

・自然を労働の技術として生産することで利益の証拠である貨幣を、商品のイメージであるキャラクターの声を担保できるスマートフォンと交換するには少女か怪物のカードが欲望の対象として表現されなくてはならない。しかしこの解釈では魔法少女や変身ヒーローにならなければ時間を道具に搾取される。
・神々の依代として生きた貨幣である少女の身体をゲームの道具として利用するためにはカードを症候として召喚しなくてはならない。ただし症候がフェティシズムや倒錯になれば商品になって貨幣で購入されてしまう。恐怖の能力が義務になるのは不安が道具によって排除されない限りでである。
・問題は貨幣を所有する限り欲望の対象は少女になり、カードのプレイヤーである限り王者の二重人格にならないのなら欲望の対象が近親相姦か百合のカップルにしかならないということにある。怪物との結婚は象徴的なイメージによって反復されるにすぎない。つまり王の系譜の誕生がゲームで反復されるのだ。
・悪魔の契約から闇の力を授かるのか妖精の願いから魔法の石を預かるのかは通信料金と体力の意味でどうでもいいとはいえない。もちろん覚醒した妹の能力で覇王になってもいいのだがそうなると性欲は無限でなくてはならない。それで友達の協力が必要なのだが報酬は敵から奪って山分けにしなければならない
・ネット上のフリー素材がクラウドとして提供されるだけではキャラクターカードを生産することはできない。仮にイラストレーターなどに委託する場合はパックやガチャのようなランダム性を付与しなければ交換価値にならない。しかしある特定の世界観の二次創作では名前を公表しつつカードを販売できる。
・まなざしと声にセクシュアリティをカード化する者は手を利用して快楽を与えるということを自分一人でやれてしまう。恋愛の可能性は失墜の快楽を味わうだけになり、労働力が性欲によって担保されているということを少女化された商品に賭けることは電話の声なしにはできなくなる。
・自分の声だけで快楽を得ようとすることはパラノイアになる。シュレーバーのように神は私に声によって快楽を強制しているのでなければならない。だからアニメ声優にはキャラクターの媒介が絶対に必要なのだ。だが愛の言葉と快楽が両立するのは兄妹の近親相姦でしかない。家族には性の証拠がないからだ。
・つまりセクシュアリティジェンダーとして問題提起してはならない。そうすると強姦とそれを喜ぶ女性としてしか定式化ができなくなる。純愛はストーカー殺人にしか行き着かない。恋愛を商品化することは二重の欺瞞を含んでいる。恋愛が不可能であるだけでなく恋愛の気分が詐欺でしかないということ。
・資本主義は子供を産むことの代わりに商品生産に投資することで技術基盤を拡大するのだが、子供を直接生産するには政治的に結婚を強要するか神々からの贈り物として扱うかのどちらかである。前者は恋愛結婚を延命させるために導入されるにすぎない。全体主義のロマンスは革命の悲劇と対になっている。
・後者は科学が不妊治療と人工受精が一般にうまくいくようになるという期待が持てるならなんの問題もない。男は子供の着せ替えごっこや人形遊びに夢中になり、女は子供のための母体として「開発」されるだろうが、なんの問題もない。ただ私にはそういう期待を持てないというだけののことだ。
・沈黙は純粋に孤独は誇りを持って富の所有は優雅に知識を見せびらかさない思慮を残酷にならないだけの勇気で支え厳格にならない程度の楽しみを節度のある快楽として芸術に親しみ毎日の労苦に感謝しながら礼儀と威厳を兼ね備える。こういう儒者流の道徳では欲望の体系である資本主義に勝つことはできない
・神々と核兵器の結婚は原発事故による声の誕生をカードで召喚することによって成就する。各人が自分自身の核兵器を召喚できるようになるにはスマートフォンを身体の正当な使用者としてプレイヤー化する必要がある。しかしこれだけでは個人的身体のメルトダウンで伝言ゲームを拡散させることはできない。
・ヴァーレントゥーガのシステムは帝王の系譜である紀伝体の歴史をヘーゲルディスクールで人材獲得競争のゲームにしたものだが、このシステムの弱点はプレイヤーが唯一絶対の神でなくてはならないという点にある。神はあらゆることに干渉し列伝持ちの勇者を運用して世界を救済しなくてはならない。
唯一神は休憩のため定期的に人類の大量虐殺や民族の絶滅を必要とする。そうでないと人間達がまじめな労働によって文明を維持していることの実感が持てないからである。悲劇的なものを呼び覚ますには終末のヴィジョンが必要不可欠なのだ。カードゲームは核兵器を召喚する度に人類の滅亡を反復する。