風鈴神社

自然の囁きを声として反復することでメロディーを生み出すブログ兼放射性廃棄物処理場。はじめての方は「☆☆☆」か「はじめての方向けの引用」のカテゴリーからどうぞ。

ほとんどすべての人のための哲学入門(ラノベ風)8

登場人物
神埼空海 正義の味方
綺羅星流星 孤児
綺羅星鏡花 幼なじみ

空海の個室

空海「ご苦労だった、流星、鏡花」
流星 鏡花「「ありがとうございます」」
空海「(常に特定の敵を演出し、政府の特務部隊が英雄として大衆の不満を解消するように指揮する)政府公認の特務機関第一回卒業生だからな。提案者の私も鼻が高いよ」
流星「反乱の参加によって収容した父母と子供はどういたしますか」
空海「子供は学校に預からせる。父母は有能な奴は教員にしろ。それ以外は安心した余生か幸せな旅路かを選ばせればいい」
鏡花「リークした標的は死亡したようです。死体はすでに回収済みです」
空海「収容した父母の中で一番リーダー性がありそうな奴に発信器を付けて釈放しておけ。次にやることはわかっているな?」
流星「はっ、各地の不満分子に対する表現の自由の誘導とテロリストに対する武装鎮圧です」
鏡花「すでにメディア上に煽動文を流出済みです。さらに選抜された哲人警察が命令を待っています」
空海「すぐに攻撃にかかれ。空虚の情報伝達による電撃戦で速やかに敵を排除しろ。くれぐれも自衛以外で殺すなよ。後が面倒だからな」
流星「心得ています」
空海「よし下がっていいぞ」
鏡花「失礼します」

流星「『父を殺して英雄になり、母を捨てて聖人になる』か」
鏡花「何それ?」
流星「昔のことわざさ。空海長官から聞いたんだ」
鏡花「それって象徴的な意味だったんでしょ」
流星「うん、誰も今のようになると予想してはいなかっただろうね」
鏡花「皮肉よねー。ひょっとするとこれが抑圧するものの回帰ってやつ?」
流星「はは、そうだね。空海長官が僕たちを拾って下さらなかったら僕たちがそうなっていたかもしれない」
鏡花「流星と一緒でよかった」
流星「せいぜいこれから幸せになってくれるのを祈るとしよう」
鏡花「顔も知らないから恨みもないしね」