2014-04-15 ジャック・ラカン 『精神分析の倫理』 引用 我々は、もしフロイトの分析についていくなら真実と考えなくてはならない真実から出発しました。その真実とは神が死んだことが知られているという真実です。ただし次の一歩はこうなります。神はそれを知らないのです。しかも想定上、神は将来もそれを決して知ることはできません。神はずっと前に死んでいるのですから。けれどもこの定式が、我々がここで解決すべきもの、紆余曲折を経てわれわれの手に残されたもの、倫理問題の基盤を変化させるものへとわれわれを導きます。それはつまり、享楽は以前と同様に、我々が神が死んでいることを知る前と同様に、禁止されているということです。これがフロイトが語っていることです。そしてこれは、真実に関する真理ではないにしても、フロイトが語ったことに関する真理なのです。